米国の連邦準備制度理事会が先週、量的緩和第3弾(QE3)を実施すると、米ドル売りが強まり、その他の通貨が高騰した。今週初の営業日、人民元の対米ドルレートの中間レート(基準値)が4日連続で上昇し、この2カ月間で最高値となった。アナリストは、「QE3の影響を受け、人民元相場が短期的に上昇基調に転じる可能性がある」と指摘した。新京報が伝えた。
◆QE3実施の影響
連邦準備制度理事会は先週QE3を実施し、現在のゼロ金利政策継続の時間軸を、「少なくとも2015年半ばまで」延長するとした。これを受け、投資家はその他の市場に投資を移している。米ドルの投資家の需要が大幅減となり、ドルインデックスが低下した。
上述した情報が伝わると、米ドルの対円レートが7カ月ぶりの安値をつけ、対ユーロレートも4カ月ぶりの安値となった。昨晩7時の時点で、ドルインデックスは同日の約80から78.8に低下した。
同時に、豪ドル、ユーロ、その他の新興国の通貨が高騰した。昨日の米ドル対人民元レートの中間レートは6.3295となり、人民元相場は過去数日の取引日の間に約0.26%上昇した。
一部の国と地域の関連部門は本国通貨の高騰を受け、相次いで警告を発している。アナリストは、「連邦準備制度理事会がQE3を実施したことで、多くの資本がこれらの国家の市場に流れ込む可能性がある。これを受け本国の通貨価値が高騰し、その他の重要な輸出商品の競争力に影響が生じる恐れがある」と指摘した。