◆人民元相場が上昇基調に
中国経済の成長ペースが低下したことを受け、人民元の対米ドルレートは今年5月より低下している。元安に対する警戒が強まっており、資本が外部に流出している。
8月以降、連邦準備制度理事会によるQE3実施が濃厚となるにつれて、人民元の対米ドルレートは6.33-6.44の付近で安定し、ドル安の進行に対する明らかな反応は見られなかった。人民元レートの中間レートが安定化すると同時に、国内の人民元対米ドル現物為替相場と、海外の人民元対米ドル先渡相場は堅調になった。
しかし専門家は、人民元の対米ドルレートの上昇は、長く維持することができないと指摘した。中金公司が昨日発表した報告書は、「QE3が短期間内にドル安の圧力をもたらすが、人民元の対米ドルレートの上昇の余地はあまり残されていない」とまとめた。中国国内の経済成長の原動力が弱まり、金融緩和の方向性も短期間内に変更することはできず、人民元の対米ドルレートの上げ幅を制限している。
中金公司は、「今年年末の人民元対米ドルレートの中間レートは、現在の6.33から6.38となるだろう。来年の平均値は今年とほぼ同水準となるが、変動幅が引き続き拡大する可能性がある」と指摘した。
「人民網日本語版」2012年9月18日