◆構造の非合理性、発展モデルの遅れ、生産能力の過度で無秩序な拡大は深層原因
中国工業情報化部のエンジニアである朱宏任氏は「中国の生産能力の過剰は、原材料産業に特に顕著に表れている。本質的な、より深いレベルの要因は産業構造の非合理性、発展モデルの遅れ、生産能力の過度で無秩序な拡大にある。経済の急速な成長期に形作られた生産能力は、経済が減速し、市場の需要が低迷している時期においては、深刻な矛盾が生じる」との見方を示している。
張氏は「国内外の市場の需要低迷を受け、中国の鉄鋼の生産と輸出は低下傾向を保つだろう。原材料価格の下げ幅が拡大し、在庫量も減少し続ける。ここ最近、国は経済の安定的成長の維持に向けた政策を強化しており、今後の市場はある程度好転し、鋼材価格も安定することが見込まれる」と予想した。
「現在の固定資産投資の拡大が徐々に、生産能力が過剰な産業の難局を打開してくれるだろう。このチャンスを掴んで、構造調整を行い、立ち遅れた生産能力を淘汰し、市場の需要に適した生産能力を形成しなければ、今直面している問題を根本的に解決することはできず、その後の状況は一層深刻なものになる」と朱宏任氏は指摘する。