◆付加価値の向上、産業チェーンの高度化、構造の最適化による産業のモデルチェンジが必要
2012年上半期、中国の高付加価値・ハイテクノロジーの鉄鋼産業製品の輸入は、前年同期に比べ、更に減少しているが、中国が輸出している鋼材の平均単価は輸入される鋼材の平均単価よりも1トンあたり27.6%低い(366米ドル安)。
「中国は生産能力が過剰である一方で、大量の鉄鉱石などの原材料を輸入しなければならない。単純に生産能力を拡大し、低水準で繰り返し投資を行うやり方はもう通用しない。技術と環境基準を引き上げ、品質の向上を目指すべきである。各地方政府は、構造の調整・モデルチェンジを最も重要な位置に据えるべきであり、わき目もふらずに生産能力の拡大を行ってはいけない」と朱氏は言う。
冶金工業経済発展研究センターの劉海民副主任は「鉄鋼産業の大規模な調整は必要不可欠である。合併・再編を成し遂げ、公平な市場競争の環境を構築することを目指し、国有企業の赤字続きの生産体制を変え、経営システムそのものを改善する必要がある」との見方を示している。
朱氏は「中国は今後、鉄鋼産業などの高付加価値の市場を積極的に開発し、川上・川下産業全体の産業チェーンを高度化することで、産業製品の構造調整を推進し、省エネ・二酸化炭素の排出削減に努め、工業構造の最適化・モデルチェンジグレードアップを促進するだろう。また、情報化によって工業化を後押しし、情報化と工業化が高度に調和していく過程で、生産工程・技術・設備・管理システムの全体的な向上を促進し、独自の強みを持つコア競争力を形成していく」との見解を示している。
「中国証券報」より 2012年9月27日