香港紙「南華早報」がこのほど、「中国の消費者が主役に」と題する文章を掲載した。これを書いたのはゴールドマン・サックス管理部中国副主席で投資戦略家の哈継銘氏。内容は次の通り。
過去30年間、中国は労働コストが低く、製造業の生産拠点であることから、「世界の工場」と呼ばれてきた。ところが30年の急成長を経て、労働コストが上昇し、労働力の供給が不安定になってきており、ここ数年、中国でローエンド製品を製造する企業がインドネシアやベトナム、カンボジアなど低所得国へ移転を始めている。
2010年以降、中国都市部の平均最低賃金は年々上昇、今年上半期に16の省と地区で最低賃金が引き上げられた。賃金引き上げ率は平均19.7%に達する。国家統計局によれば、今年上半期、都市部住民の平均可処分所得は9.7%増加、農村部の住民の平均現金収入は12.4%増加し、いずれも同期の国内総生産(GDP)成長率7.8%を上回った。
収入の増加にともない、「中国向けの製造」という概念が現れてきた。中国の一般家庭がより良質な食品、ブランド服、高級車、その他の高級消費品にお金を使うようになり、通信・旅行・娯楽・教育・医療・保険などに対する消費も増えた。