これは農産品、安全な食品や飲料、中・高級消費品、医療、金融サービス、旅行、文化・娯楽などの分野で非常に大きな発展と投資の可能性があるということだ。中国の消費者はすでに高級ブランド品メーカーのメイン顧客であり、データによると、中国大陸部、香港および台湾における国際的高級ブランド9社の平均売上は世界での売上総額の20%を占めている。家庭収入の持続的増加にともない、この数字がさらに拡大する可能性が高い。
収入の増加にともない、中国人の穀物の消費が減少し、肉類の消費が増えた。家畜が消費する穀物の量は人より多いことから、農産品の間接的消費も増加している。また中国では「良質」な食品や飲料が必要とされている。今世紀に入って中国の主な白酒ブランドの販売価格は倍以上値上がりしている。
中国の消費全体からみると、今のところサービスが占める割合は消費総額の5分の1と非常に少ない。一方、米国ではサービス消費が3分の2以上を占める。例えば、高齢化と家庭収入の拡大により、保険業には大きなチャンスが見込める。中国の保険料規模は世界第6位、世界で最も成長が著しい保険市場だ。高齢化や生活水準の向上にともない、医療サービス消費も大幅に拡大するだろう。
「中国向けの製造」によって消費品を「中国で製造」しなくなるわけではない。中国の製造業と他の低所得国を比較しても、より整備されたインフラやサプライチェーン、より大きな国内市場などまだ競争力はある。これまで輸出に目を向けていた企業の多くが今では国内消費のほうを重視し、あらゆるサービスを国内で提供している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年月日