しかしGDPデータの中には、別のシグナルも隠されている。具体的に見ていくと、今年第1-3四半期の工業増加値(付加価値)・小売総額・固定資産投資はそれぞれ10%・14.1%・20.5%増となった。これは固定資産投資が依然として経済成長の主な原動力であることを示しており、今年各地が実施した膨大な投資計画による効果を裏付けた。小売販売は依然として安定成長を維持しているが、物価上昇の要素を加味しなかった場合は一桁成長のみで、経済の原動力の中で最も脆弱な部分となった。これは経済成長方式が、国内消費と内需を主な原動力とする目標から、遠くかけ離れていることを示している。
中国政府は今年のGDP成長率の目標を7.5%に下方修正し、第12次五カ年計画のGDP成長率の目標も7%とされ、経済成長モデルの転換に時間と余地が残された。第3四半期のGDP成長率は過去14四半期で最も低い数値となったが、今後の政策においてこれまでのように「成長率が低下すれば景気刺激策を講じる」という道を歩み続ける可能性は低い。
ゆえに7.4%という成長率は、金融政策のさらなる推進を触発する条件ではない。中央銀行(中国人民銀行)はこのほど、逆現先により流動性を調整したが、その慎重な立場が明確に示されている。これはつまり、預金準備率や金利の引き下げは、経済のマクロ面の観察後に実施されることを意味している。