現在、中国の海水淡水化の日量は約66万トンに達しており、浙江省、天津市、河北省、遼寧省などで急速に発展を遂げている。中国膜工業協会の憂金徳秘書長は「浙江省の膜ろ過法を採用している海水淡水化処理施設の規模は、既に1万トンに達している。浙江省舟山市六横島の住民は現在、主に海水淡水化処理で得た真水で生活しており、他の島にも淡水を供給する準備を進めている」ことを明かした。
天津市では、1日6000トンの海水が淡水化によって、水道水として供給されている。北京市でも、海水淡水化方案と南水北調(南部の水を北部へ引く)方案のメリットとデメリットを比較しており、今後、試験的に河北省曹妃甸から1日当たり数十トンの淡水化処理された海水を引き入れ、水道水として供給する可能性が高い。
2012年2月、国務院弁公庁が発表した『海水淡水化産業の発展促進に関する意見』において、海水淡水化産業の発展を促進することが明確に示された。2012年8月、中国科学技術部、国家発展改革委員会は『海水淡水化化学技術発展「十二・五(第12次五カ年計画、2011-2015年)」特別計画』を共同で発表した。2015年までに、中国の海水淡水化の能力は1日当たり220―260万トンに達すると見込まれており、現在の3-4倍となる。海水淡水化装置の生産高は1年当たり75-100億元に達すると見られる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年10月29日