このほか、中国経済の自己修復力も形成されつつある。中国政府は今、これまで干渉しすぎていた場所から身を引き、逆に管理が足りなかった部分に力を入れている。すなわち、ミクロ経済に対する政府の干渉を減らし、政府が経済成長を主導していた「中国方式」をやめて市場の力を発揮させ、経済の自己修復力を強める一方で、監督メカニズムを完備し、公共サービス型の政府を目指している。
経済のモデルチェンジという攻略戦・持久戦の中、中国は各種の突発的事件・リスクへの準備を整えつつ、危機対応力を絶えず強化し、自己修復を実現している。
しかし、経済発展方式の転換加速の過程において、中国が依然として様々な試練と負担に直面しているのも事実だ。行政の力による経済発展の効率が低いという問題は根本的な改善が見られず、緑色GDPは制度の段階で止まってしまった。政府は未だ経済発展の責任を背負い過ぎている。
内需不足、不適切な産業構造、市場メカニズムの欠如、都市と農村の2元構造、利益集団の関与といった問題は、中国経済のモデルチェンジの中で主導権を掌握しなければならない難題だ。