米国の「財政の崖」が迫っている。あるアナリストは、「デッドラインまでに民主・共和両党が歩み寄ることができなければ壊滅的な結果が引き起こされ、その衝撃は世界経済におよぶ。株・債券に対する投資家の需要が減少し、アジア太平洋市場から資本が一挙に流出するだろう」と指摘した。中国新聞網が伝えた。
UBSのグローバル・エクイティ・ストラテジストは「米大統領選挙が終わっても米国経済の基盤は変わらない。米国のGDP成長率は今年は2.1%、来年は2.3%と予想されている。世界の投資家が今一番注目しているのは、『財政の崖』問題だ。この問題が解決できなければ、米国経済に来年、急激な財政収縮がもたらされ、GDP成長率は3.25-3.5ポイント押し下げられるだろう」とする。
また、あるアナリストは「財政の崖はまさに災難だ。米国経済が急激に衰退し、企業の利益が下がるだけでなく、その衝撃は世界経済にも波及するだろう。欧州債務危機は未解決で、アジアの一部経済体では成長率が鈍化するなど、世界経済の疲弊が見られる。この上さらに財政の崖の影響が加われば、投資家はアジア太平洋地域のリスク資産に投資する勇気がなくなり、資本が流出するだろう」と指摘する。
ウェイン・スワン豪財務相は「米国は、世界経済復興を妨げないために政治的膠着状態をできるだけ早く打破し、両党が力を合わせて『崖』を回避するべきだ」と語る。(編集SN)
「人民網日本語版」2012年11月12日