同報告によると、米国がエネルギーの自給自足を実現することで、世界のエネルギーの流れには大きな変化が起きる。現在、アメリカが中東から輸入する石油の量は膨大であるが、2035年には、中東で生産された原油の9割は、アジア諸国に輸出されるようになる。
また、注目すべき点は、一部の国家では原子力発電の供給力が削減され、風力発電と太陽光発電技術が幅広く応用され、シェールガスなどの非在来型天然ガスの生産のグローバル化の動きなどが、将来の世界エネルギー勢力図の塗り替えを加速する。
この最新報告の予測によると、米国の石油生産量は2020年には1日あたり1110万バレルの最高水準に達し、2011年の1日あたり810万バレルの生産量を遥かに上回ることになる。
また、同報告では、2035年、再生可能エネルギーの発電量は電力の総生産量の3分の1を占めるが、太陽光発電の成長率は他のいずれの再生可能エネルギー技術よりも速い。一方、アメリカの原油生産量の大幅な増加は、国際石油貿易の方向転換の兆しであるとIEAは見ている。IEAの予測によると、2035年、中東地域で生産される石油の9割はアジアに輸出されるが、2035年までに、世界エネルギーの需要は3分の1以上増え、需要増加の6割は中国、インド、中東などの三大地域からのものである。