ムーディーズ・インベスターズ・サービスと、同社の中国合弁会社の中誠信国際信用評級有限責任公司は22日に北京で、中国銀行業の信用について「安定」の先行きを示したほか、中国の主要商業銀行17行の信用格付けを維持し、「安定」の先行きを示した。しかしムーディーズは同時に、中国系銀行の信用格付けの差は、今後拡大されると表明した。新京報が伝えた。
同報告書「2012-2013年中国銀行業信用展望」は、銀行の不良債権が増加しているが抑制可能な範囲内であり、今後の資産品質に依然として圧力がかかると指摘した。一部の銀行は事業拡張を急いでいるが、外部金融に対する依存度が低下することはない。また「影の銀行システム」が大幅に膨張し、経営の透明度が低下している。これらの問題に対しては、注目が必要だ。しかしながら、銀行システムが厳格な監督・管理下に置かれており、引当率・資本金の水準が高いため、中誠信国際は中国銀行業に対して「安定」の先行きを示した。
同報告書はまた、中国の主要商業銀行17行の信用格付けを維持した。そのうち5大銀行、中国招商銀行、中信銀行、中国光大銀行、上海浦東発展銀行、平安銀行の10行の総合財務能力に対して「AAA」の評価を与えた。また中国興業銀行、中国民生銀行、中国華夏銀行、北京銀行、上海銀行に対して「AA+」の評価を与えた。中誠信国際はまた、これらの銀行に対して「安定」の先行きを示した。
中国銀行システムの今後12-18カ月の資産品質、利益獲得能力、経営効率について、ムーディーズは「マイナス」評価を与えた。ムーディーズは、各行の第3四半期業績報告を見る限り、資産品質に大幅な悪化は生じなかったが、資産品質が依然として圧力を受けると指摘した。また金利市場化の推進により、銀行の利益獲得能力がさらに低下する。その他にも、金融の非仲介化、管理・抑制の緩和もまた、銀行に対して新たな課題をもたらす。
ムーディーズ・インベスターズ・サービスの胡斌副総裁は、「中国系銀行が圧力を受ける中、その対応能力が試されている。長期的なスパンで見れば、これは各行の財務能力の差別化を促す。差別化された能力により、格付け機関は中国系銀行の信用について、再度格付けを行う。この過程により、中国系銀行間の財務能力と格付けの差が拡大される」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2012年11月24日