また米国の法律の規定では、米国籍を放棄した一群の人々が生み出した60万ドル以上の純利益に対し、「出国税」の支払いが課されている。あるメディアがこのほど伝えたところによると、フェイスブックの共同設立者であるエドゥアルド・サベリン氏が移民した際は、保有するフェイスブック株の収益から約3億6500万ドルの税金を納めなければならなかったが、実際の支払いは株を売却した後まで猶予された。サベリン氏は後払いを選択することはできたが、米国政府に毎年3.28%の利息を支払わなければならなかったという。
こうした欧米の事情に比べると、中国の富裕層の国籍放棄は気楽なものだ。「中華人民共和国国籍法」第10条の規定に基づき、中国公民で以下の条件のうち1つ以上を備えた者は、中国国籍の取り消しを申請し、許可を受けることが可能だ。その条件とは、▽外国人の親族であること▽海外に定住していること▽その他の正当な理由があること、などだ。また第9条の規定によると、海外に定住する中国公民が外国の国籍を取得した場合は、自動的に中国の国籍を喪失することになる。中国で現在徴収される主な税種には「出国税」がなく、富裕層の海外での所得で中国に税金を納めるべきものについては自主申告制度を採用しており、国籍を放棄した場合の追求もそれほど厳しくない。