しかし年初の1兆1662億ドルから10月末の1兆1615億ドルへの移り変わりを見ると、中国が米国債を手放そうとしている傾向を見て取れる。上述した某銀行の関係者は、「中国経済の成長率の鈍化、経済モデルチェンジの推進により、海外貿易の黒字がやや減少した。また中国は長期に渡り米国債の最大の保有国であり、ドル安進行で損失を被っているため、中国の外貨準備高の管理者は投資の多元化を模索している。中国が米国最大の債権国ではなくなる日が近づいている」と語った。
同氏は、「欧州債務危機はまだ解決されておらず、真の解決には数年から数十年の時間が必要とされる。しかし欧州の最悪の時期は過ぎ去りつつあるため、現在はユーロ建て資産を買い入れるチャンスである。また世界資本の流動状況を見ても、世界の投資家(特に機関投資家)はユーロ建て資産を買い増ししている。外貨準備高の多元化を求める中国は、ユーロ建て資産を適度に買い増しするべきである」と提案した。(編集YF)
「人民網日本語版」2012年12月20日