▽欧州債務危機の悪化が欧州一体化を後押し
ユーロ圏では、一部の国のソブリン債と銀行債務の相互作用により債務危機が悪循環に陥り、絶えず悪化を続けている。欧州債務危機は欧州経済に暗い影を落としたが、一方でユーロ圏一体化を推進するきっかけともなった。2012年、ユーロ圏は財政・金融一体化面で大きな進展を果たした。
▽先進国の「日本化」がますます顕著に
近年、日本の経済社会には次のような問題が表れている。第一に、政府債務の対GDP比が絶えず上昇しており、短期?中期的に大きく下げることは難しい。第二に、従来の金融政策を使い果たし、金利をゼロ又はほぼゼロに引き下げても大きな効果が見られない。第三に、高齢化が進行しつつある。第四に、国内の各党派による政治的な対立が激しく、新政策を打ち出す際、共通認識が得られにくい。これら4つの問題が存在する状態をいわゆる「日本化(Japanization)」と呼ぶ。