また銀行が中・高等級社債の需要の中心であることを考えると、自己資本比率の適度な規制緩和、資本補充圧力の軽減は、中・高等級社債の需要拡大を下支えする。特に今後条件を満たす銀行は、内部格付手法によりリスク加重資産を計算することが可能になる。これにより、高等級企業のリスク加重が減少する。銀行の今後の高等級企業に対するリスク加重は100%を下回り、資本金の消耗が減少する。低等級企業の場合は、これが正反対になる。
同方法の実施は、銀行の自己資本比率に強い圧力をもたらさず、業界の流動性に大きな影響を与えることもない。しかし構造的に見て、異なる債権の資本金の消耗に変化が生じるため、銀行の資産配分の調整が生じる可能性がある。例えば同方法により銀行の同業債権リスク加重が増加した場合、銀行は短期的な自己資本比率の低下を緩和するため、同業資産の縮小を図るだろう。ファンド、金融管理、証券会社等の取引を中心とする機関の多くは、業界内の買戻し等により資金を工面し、高収益債のハードルを引き上げる。異なる金融機関により資産配分の差が生じることで、金融資産の流動性の差が生じる。また同業資産の縮小は、低等級社債の需要に対して不利な影響をもたらす。
「中国証券報」より 2012年12月31日