香港「アジア・タイムズ・オンライン」
この10年近く、世界の大豆需要が急増している。中国からの需要が最大で、国際大豆貿易量の60%近くが対中国である。中国は世界第一位の大豆輸入国なのである。
大豆の栽培は、約3000年前に中国東部地区で始まった。第二次世界大戦になるまで、大豆は小麦や米、とうもろこしと並んで、世界四大作物のひとつだった。中国で肉類や牛乳、卵などの需要が伸びるに従い、粉末大豆の需要も徐々に増えた。世界の半分近くの豚が中国で飼育されており、豚の飼育に大豆が消費されている。中国で急激に成長している家禽産業と魚類養殖産業も大豆に依存している。
4つの数字が中国における大豆消費の爆発的成長を物語っている。1995年における中国の大豆生産量は1400万トンで、消費量も1400万トン。2011年における中国の大豆生産量は1400万トンで、消費量は7000万トン。5600万トンを輸入に頼ることになったのだ。
人口13.5億人の中国。食べ物に対する要求が上層に移っていくなかで、大豆輸入量は確実に増加し続けるだろう。大豆消費量の増加は、西半球の農業構造にも影響を与えている。アメリカでは大豆畑の面積が小麦のそれを超えた。ブラジルではすでに、大豆が全ての穀物作物の総和を超えている。アルゼンチンの大豆畑の面積は、全ての穀物作物の面積の2倍になっており、大豆単一生産国になりつつある。これらの国で世界の大豆生産量の80%以上を占めている。
しかし問題は、今後どこに大豆畑を作るのかということである。アメリカでは現在、利用できる耕地の全てを使い切っており、これ以上大豆を作る土地がない。唯一の方法はトウモロコシと小麦の耕地をつぶすことである。ブラジルでは、新たな大豆畑をアマゾン盆地や南部の草原地域に作ろうとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年1月12日