物価の調整による圧力を考えると、2013年、中国の金融政策の大幅な引き締めや緩和の可能性は小さく、本格的に「穏健な」(中立型の)金融政策が維持されると、専門家は見ている。「企業の融資コストを確実に引き下げる」との目標を達成するため、2013年上半期、中国人民銀行(中央銀行)は貸出基準金利の引き下げを1回、預金準備率の引き下げを1―2回実施する可能性がある。下半期のインフレ圧力は上半期より強くなる可能性があるため、下半期の金融政策はやや緊縮すると見られる。11日付中国証券報が伝えた。
2012年12月、広義マネーサプライ(M2)は前年同期比13.8%増となり、伸び率は11月に比べ0.1ポイント低下した。12月の人民元建て新規貸付額は4543億元で、11月に比べ686億元減少し、2010年1月以来の低水準となった。
中国の投資銀行大手、中国国際金融公司(CICC)のチーフ・エコノミストである彭文生氏は、「12月のM2の伸び率は、主に比較する基準値の影響で小幅反落した。2012年通年のM2の伸び率は、年始の伸び率目標である14%よりやや低いものの、全体的なマネタリー・コンディション(金融情勢)は、2012年下半期からの、安定しつつもやや緩和した状態が続いている」との見方を示している。12月の人民元建て新規貸付額は予想していた5500億元を下回ったが、代わりに他の融資ツールが用いられていたことは明らかである。12月の社会融資規模は1兆6300億元で、前年同期比3512億元増となった。うち、債券による融資が2078億元で、急速な増加傾向が続いている。2011年に比べ、2012年の信託商品による融資額は1兆900億元増加し、社債による融資額は8840億元増加した一方、人民元建て新規融資額はわずか7320億元増で、信用貸付以外の融資ツールの代替機能がより一層高まっていることが分かる。