中国人民銀行の統計によると、昨年末時点での広義のマネー サプライ(通貨供給量)M2残高は97兆4200億元に達し、100兆元突破は間違いない。これは世界の通貨供給量の4分の1近くに相当し、大げさでも何でもなく、中国はマネーストックで世界第1位の大国となった。
その額は米国の1.5倍、英国の4.9倍、日本の1.7倍で、ユーロ圏全体の通貨供給量を20兆元以上上回る。
短期間で集めた大量の通貨が経済に与える影響は言うまでもない。周知の通り世界通貨であるドルの大規模な発行によって幾度となく世界のドル保有者は悲惨な目に遭った。ニクソン時代の米財務長官は「ドルは我々の通貨だが、あなた方の問題だ」という名言を残している。