中国の金融化の過程には、その他の国家とまったく異なる構造的・制度的基礎が存在する。その核心は、(1)政府が主導となったマネタイゼーション、(2)国際資本の循環を受けた「受動的な創造」、(3)金融資源配置の効率低下だ。
まず、マネーストックは中国経済の金融化の程度によって制限される。改革開放および市場化の推進に伴い、中国の通貨需要が増加を続けている。これによりマネーサプライの増加率が経済成長率を上回り、M2の対GDP比が上昇し続けている。中国市場経済の進展には特殊な背景が存在する。改革による市場化の過程において、政府は政策によりこれを促し、積極的に参与する。政府は自然資源、労働力、資金、技術、管理などの資源と要素を市場に向かわせ、各種資源の現金化を持続させている。中国の貨幣供給の内発性により、大量の基本通貨が投入される。貨幣乗数の拡大を通じ、貨幣供給が促される。