一世紀前、日本はアジアの帝国になることを夢見て失敗した。だが、これまでの半世紀間で電子業界では疑いなく、日本は帝国を創りあげた。日本全体にこの半世紀、どのような外来電子製品も主流になるようなものはほぼ存在しなかったといえる。だが今、モバイル時代に入りもっとも中心的な製品であるスマートフォンという陣地で日本全体がついに陥落し始めている。
2012年、アップルは隆盛を極め、サムソンも急速に伸び、中国メーカーも台頭し始めている。このスマートフォンブームの中、日本メーカーはもはや主役ではない。このブームの本質はつまり日本電子帝国市場の勢力図を塗り替えるプロセスだった。しかも日本電子帝国の構造を見すえれば結論は簡単だ。この衰退はまだ口火が切られたばかりだ。