全国人民代表大会(全人代)代表で中航工業航宇公司董事長の馬永勝氏は8日北京で、スモッグによる危害を有効に抑制・除去するため、中航工業傘下の中航工業航宇公司はスモッグを除去可能なフレキシブルウイングの無人機を開発したと発表した。同機は先月26日に襄北試験基地(湖北省)で試験飛行に成功した。
試験飛行では無人機を車で牽引して離陸させた後、コントローラーで飛行制御したところ、飛行時の敏捷性に優れ、安定した着陸でコントロールのしやすさが証明されたという。また、新型のスモッグ除去システムもうまく作動したという。
同機は冷たい霧と温かい霧の両方除去できる機能を搭載。塩や尿素など湿気を吸収する粒子を機内に設置して指定の区域まで飛行し、そこで塩や尿素などを触媒として撒いて大量の凝結核を生成させる。そうすると水蒸気が大粒の水滴となり、霧粒が蒸発し大粒の水滴上で凝結することで温かい霧が消える。また、ドライアイスや液化プロパンガスなどの触媒をスモッグの中に撒いて大量の氷の結晶を生成し、ベルシェロン過程を通じて霧粒の水分を除去、霧粒の蒸発によって氷晶が成長して地上に落下し、冷たい霧が消える仕組み。
さらに同機は、新型動力ラム圧パラシュート、自動飛行制御、発射技術の設計において数々のイノベーションとブレークスルーを実現。飛行高度は5000メートルに達し、巡航時間が長く、広範囲にわたり、小型で軽量、操縦しやすいなどの長所がある。国内にはこうした製品がまだない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年3月9日