この戦争で利益を得るのは誰か?孫氏は「最初に利益を得るのは、自国通貨安を実現した国だ。だが他国の市場に割り込み、他国の利益を損なったために、他の国々も通貨安競争へ向かわせる。各国が角逐を繰り返し、最終的には誰もメリットを得られないばかりか、国際貿易・投資・通貨システムが攪乱させられる」と指摘する。
中国は通貨戦争に巻き込まれるのだろうか?「中国が通貨戦争に参加することはあり得ない!わが国は米日などの量的緩和政策に反対している、また、わが国のいかなるマクロコントロールや金融政策も自国経済に対するものだ。人民元は国際通貨ではないので、われわれの政策に波及効果はない」と孫氏は指摘する。
通貨戦争に参加せずとも、他国の量的緩和競争は中国に多くの悪影響をもたらす。孫氏は「過度の金融緩和は大量の安価な資本を新興経済国の市場へとシフトさせ、国際ホットマネーがさらに多く中国に流入し、大量の金融資産バブルをもたらし、外貨管理と産業政策のコントロールを一段と難しくする」と指摘する。