日本の開発計画は楽観的すぎる
掘削試験は日本経済産業省の下部組織である石油天然ガス金属鉱物資源機構が実施したものだ。この団体は地球深部探査船「ちきゅう号」を使って、愛知県渥美半島沖約1000メートルの海底からさらに330メートル掘り進め、メタンハイドレートの地層に到達し、メタンハイドレートの水分から圧力を下げて水とメタンガスを分離させメタンガスの採取に成功した。この海域で引き続き2週間前後の掘削試験を行い、技術を完成させる予定だ。
裘教授によれば、日本は海底のメタンハイドレートからのメタンガス抽出に成功したが、この技術を商業化しようとすると日本だけでなく世界のエネルギー構造に大きな影響を与え、世界のエネルギー構造の転換を進めることにもなると指摘する。日本は2010年にはメタンハイドレートの開発利用を実現したいといっていたが、現在は2018 年に商業開発技術を完成させたいと後ろ倒しした。この計画は時間的に楽観的すぎるだろう。海底のメタンハイドレートの掘削は難しい問題で、多くの課題がまだ解決されていない。特にメタンハイドレートの大規模な商業開発は、海底環境や温室効果などの影響がどれほどになるかはっきりしていない点が多い。