安倍首相は3月15日に開かれる記者会見で、高度発展中のアジア各国がすでにTPP交渉への参加を表明しており、その追い風を受けることにより、日本の商品と農産物の輸出を促していくと強調する見通しだ。
安倍首相はこのような大義名分を持っているが、国内の輿論を沈静化しておらず、農業団体の反対の声が特に際立っている。日米は共同声明の中で「例外」について触れたが、「TPP交渉にはすべての商品が含まれる」と強調したことが、懸念の種となっている。農業協同組合などの農業団体は現在、農産物などの「例外」が明確に保証されない限り、政府によるTPP交渉の参加に反対すると表明した。農業協同組合などの農林漁業関連の8団体、4000人余りの参加者は、東京日比谷公園で集会を開き抗議を行った。
利益と弊害、バランス維持は困難
就任したばかりの安倍首相には、自らの政治生命を投げ打ち、毅然とした態度で消費増税を推進した、野田佳彦前首相のような気迫が欠けている。