◆過剰流動性の状況が現れることはない
金融資産について言えば、流動性の緩和は往々にしてバリュエーションの上昇を意味する。年始から春節前まで、株式市場・債券市場がともに上昇した背景には、流動性の続く緩和及び市場見通しの改善が果たした役割は無視できないものである。一方、2月中下旬、人民銀がレポ取引を再開し、市場は過度に楽観的な流動性への期待を修正せざるを得ず、上海総合指数が急落した場面とも現れている。レポ取引の再開と月末要因による変動を経て、3月から資金需給状況は再び予測を上回る緩和の兆しを見せ始めているが、市場関係者は「今後、流動性緩和によるA株市場の後押し効果は大きくない」との見方を示している。
重要なのは、今後、流動性の適度な緩和が期待できるものの、予想を上回るような流動性の過剰状況は望めないということである。一部の機関は「インフレ観測が高まる中、人民銀がレポ取引を再開し、更には連続して公開市場操作で資金吸収オペを行ったことは、金融政策がこれまでの適度な緩和傾向から中立的な状態に戻っていることを示している。今後1、2カ月、インフレ率は更に低下する可能性があり、金融政策がより一層引き締められる可能性は小さい。しかし、レポ取引の再開は、人民銀の流動性緩和における限界を明確に示すものである。
「中国証券報」より 2013年3月20日