◆超量的緩和策が残す後遺症
わずか1週間のうちに、日本の10年物国債の利回りが0.315%の最低水準を叩き出してから、0.635%に急激に反転上昇した。投資家はジェットコースターに乗るようなスリルを味わっている。今年以来、10年物以上の日本国債のボラティリティ(10日ベース)は12ポイント上昇し過去最高の14.8%に達し、25のモニタリング対象国のうちギリシャに次ぐ2位となった。
復旦大学経済学院の孫立堅副院長は、「少子化・高齢化を受け日本人は消費を控えており、銀行預金や安全性と流動性がいずれも高い日本国債を選択している。多くの預金を抱える銀行が企業融資に消極的でありながら、日本は大量の資金を国債市場に注入している。これは日本政府の負債比率が長年上昇しているにも関わらず、財政の崖が生じていない原因だ。日本国債はこれで、高価格・低利回りを維持している。日本の量的緩和策は、日銀の国債購入枠の拡大によって実現されるが、日銀の過激な緩和措置は日本の投資家の資金を国債市場から流出させる」と指摘した。
孫副院長は 投資家の日本国債売却の原因について、「過去に例のない大規模な量的緩和により、投資家のリスクへの懸念が深刻化し、現金を重視し国債市場から撤退している。その一方で、日本政府の量的緩和策は投資家に、日本経済のチャンスと希望を示した。投資家は低収益の国債を手放し、高収益の分野に投資している」と述べた。
日銀は4月8日より第一弾となる、1兆2000億円規模の国債購入を開始した。これは日本の超量的緩和策が、正式にスタートしたことを意味する。