為替レートの市場化と資本項目の兌換自由化については、資本の流失を引き続き厳格に制限すれば、民間の対外投資、とりわけ金融投資の水準は低くなり、中国で短期・中期的に続いている経常項目の黒字を積極的に相殺することができなければ、中国人民銀行(中央銀行)が外貨を吸収して、更には外貨準備高を増やすことに引き続き頼るしかなく、金融政策の効率低下を招くことになる。資本流出の効率が低下する中、為替市場の需給の多様化を制限し、為替レートの変動幅を調節できる空間が減少すれば、為替レート形成メカニズムが空洞化して機能不全に陥り、更には為替レートのオーバーシューティング(変動相場制において,短期的に為替レートが均衡点から大きく乖離してしまう現象)を招く可能性がある。そのため、資本項目の兌換自由化を推進し、資本が双方向に流動する健全な国際収支の自律調節メカニズムを構築することは、為替レートの市場化の推進における内在的な関係と互いに依存するものである。ここから分かるように、3つの改革の基盤構築の内容は違うものの、いずれも市場化改革に尽力するという性質の面では一致している。