車窓の風景は、中国の水墨画とは異なっている。初めは北京郊外で建造中の高層ビルが見て取れたが、霧が濃くなるにつれ、褐色の泥土と空の境界線があいまいになっていった。河北省は重工業が発展しており、その汚染度は北京を大きく上回る。
列車は武漢に到着した。武漢は鄧小平の1992年の「南巡」の初の目的地だ。列車が湖南省に入った時、スクリーン上では中国共産党の歴史が放送されていた。終点の広州に到着した時間は18時59分で、約束されていたはずの8時間を数十分超過していた。しかし鄧小平が21年前に乗った時は、この路線は2日の時間が必要だった。鄧小平は広東省で、現代化こそが中国の活路だと、中国の人民に指示を出した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年6月13日