■シェアを拡大する中国企業
テレビ事業の不振は日本の家電企業の足を引っ張っている。2012年度に黒字転換したのはソニーだけで、シャープやパナソニックの業績に大きな改善はなかった。ソニー中国法人の栗田伸樹社長は中国テレビ市場からの撤退はないと断言するが、新製品開発は減速し、中国市場での売上も減っている。シャープは中国市場でテレビのみに頼るのは止めると表明。パナソニックはプラズマパネルへの投資ミスにより、すでに脇に追いやられている。日系テレビの「撤退」は中国テレビブランドにとってシェア拡大の機会となった。創維集団の楊東文社長は、ソニー、シャープ、パナソニックなど日系企業が新興国を中心に海外市場でのシェアを急速に減らし、その大部分を韓国企業や中国企業に奪われていることについて、創維にとってもハイエンド市場に力を入れる最良のタイミングだと指摘した。TCL集団の李東生会長も「スマートテレビは中国企業に追いつき追い越せの重要な機会を与えた。今年前半にわれわれは日系テレビのシェアを少なからず奪った」と表明した。
「人民網日本語版」2013年6月23日