円安は毒を含んだ甘いアメだ。米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和政策をやめれば、アベノミクスは継続が困難になる。実際、アベノミクスの最終的な効果は、これまでずっと論争の的だった。国際通貨基金(IMF)が今月9日に発表した最新の報告では、日本経済の今後の発展に大きな期待を寄せ、安倍首相も今月初め、自身のうち出した財政政策に合格点をつけたが、国際世論では安倍首相の政策の長期的な効果を疑う見方が一般的だ。安倍首相の経済政策は日本の人口高齢化といった一連の問題を踏まえておらず、効果や利益を上げることを急ぎすぎており、長期的にみれば毒薬入りの酒を飲んで喉の渇きをいやしているようなものという見方だ。
安倍政権がうち出した「日本を取り戻す」をテーマとする成長戦略では、多くの矛盾点に目をつぶっている。たとえば投資倍増をうち出しながら、法人税率は引き下げないという。非農業企業によって農業生産額を倍増するとしながら、農地取得の自由化には踏み切らない。海外の人材を導入するというが、移民の管理は緩めない。とりわけ大きな矛盾は、改革を声高に主張しながら、日本最大の「官製企業」である郵政の改革には一言も触れないということだ。安倍首相の「日本再興戦略」では日本産業再興プラン、戦略市場創造プラン、国際展開戦略を鳴り物入りでうち出したが、具体的な内容は市場や社会の期待からはほど遠いものだった。現内閣の経済成長戦略をうち出すべきところ、安倍首相がうち出したのは5年先、10年先を見据え、さらには20年先まで射程に入れた目標であり、日本の「短期政権」の悪癖はうち破ったが、これは実際には行政レベルの政策実施における責任回避の余地をもたせるものであり、市場には幻滅感が広がった。