アジア開発銀行(ADB)の庄巨忠・副チーフエコノミストはこのほど記者の取材に応じた際に、「中国政府はさまざまな措置を講じ、本国経済の持続的成長の潜在力を引き出している」と述べた。庄氏は中国経済の先行きを楽観視しており、中国経済は改革とモデルチェンジによりソフトランディングを実現できると指摘した。庄氏の発言内容は下記の通り。国際商報が伝えた。
データを見ると、上半期に中国経済の成長率が低下した原因は、輸出・内需・国内投資の増加に勢いがなかったためだ。中国政府は2008年のような、大規模な景気刺激策によりこの不足を補おうとはしなかった。これは中国政府が現在、経済成長の数値ではなく質を重視していることを反映している。そのため中国政府が表明した通り、上半期の中国経済運行は全体的に安定的であり、経済成長率の適度な低下は政府が自ら調節した結果である。
上半期の中国経済のデータが予想を下回り、国内の資金調達コストが増加したことなどから、ADBは16日に今年と来年の中国経済の成長率予想を、それぞれ7.7%と7.5%に下方修正した。これは中国経済の近年の2桁成長には及ばないが、依然として力強く健全な経済成長である。世界という範囲内で比較した場合、この結論は容易に導き出される。
経済国が発展し、1人当たりの所得水準が高まるほど、その経済国の成長率は低下に向かう。これは普遍的な現象だ。中国の状況を見ると、その1人当たりの所得水準は米日などの先進諸国との間に大きな開きがあり、所得の地域差、都市部と農村部の差も大きい。これは中国経済が依然として大きな成長の潜在力を秘めており、すぐに停滞期を迎えるわけではないことを示している。この面から見ると、中国が今後10年間で7-8%の経済成長率を維持できないと信じる理由はない。
中国経済の潜在力を引き出すために、中国政府は今後、次の取り組みが必要になる。(1)科学技術イノベーションへの投資を拡大し、インフラ・人材への投資を継続する。(2)生産要素市場および国有企業などの構造改革を深化する。(3)サービス業発展の制約要素を減らす。(4)都市化を促進し、より寛容な経済成長を実現する。(5)地方政府の財政を含む、金融への監督管理水準を引き上げる。
中国経済を楽観視できるのは、上述した取り組みがすでに中国政府の日程に組み入れられたからだ。中国経済は順調にソフトランディングを実現するだろう。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年7月23日