今年5月以降、米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和政策から撤退するとの予測が徐々に高まるのにともない、国際資本が新興市場から徐々に引き上げられるようになった。こうした現象について、国家外匯管理局(国家外国為替管理局)の関連部門の責任者は22日、中国には現在、海外資本の集中的な引き上げはみられないと述べた。「人民日報」が伝えた。
同責任者の説明によると、第一に、中国では海外直接投資(FDI)と証券投資における国境を越えた資金流入が引き続き増加している。6月にはFDI資本119億ドルが流入し、前月比14%増加した。証券投資の決済額は15億ドルで、前月の3.5倍に増えた。第二に、FDI引き上げの規模は低い水準が続いている。13年上半期には35億ドルのFDIが引き上げられ、前年同期比17%減少した。第三に、外資系企業の投資利益の本国への送金をめぐる動きは穏やかだ。今年6月の外資系企業の利益の本国送金は126億ドルで、前年同月比2%減少した。
同責任者によると、今年下半期の国境を越えた資金は変動の中にも基本的なバランスに向かうことが予想される。市場では、人民元が現在、バランスの取れたレート水準にあり、レートの上下動の勢いが強まっており、値上がり観測の弱まりは資金流入の鈍化にとってプラスだという。今後はこうした国境を越えた双方向の変動、外貨の需給が基本的なバランスに向かう動きがますます常態化するとみられ、国内のマクロ調整と域内の市場主体のミクロ的行為は適宜調整されることになるという。
同責任者によると、外匯局は今後、国境を越えた資金の流動のモニタリングを強化し、政策とデータの透明性を一層高め、国境を越えた資金の双方向の動きによる打撃に対処するための政策マニュアルを整え、リスクの最低線を断固として守り、中国の国際収支バランスと海外に関わる経済の持続的で健全な発展を促進していく方針だ。
ここ2カ月ほどで、国境を越えた資金流入の勢いは目立って弱まった。国際的要因や国内の要因をみると、米国経済は急速に復活する一方、中国経済は下ぶれ圧力にさらされ、人民元レートの上昇観測が弱まり、先物相場からは今後の人民元の対ドルレートの値下がり幅拡大が予想される。季節的要因や政策的要因をみると、5月と6月は中国人の海外観光や海外留学のピークで、外資系企業の配当が集中する時期でもある。またここ数カ月間、複数部門が政策措置を打ち出し、虚偽の貿易を通じて行われる利ざや狙いの資金の流動を抑えている。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年7月23日