このほど就任した韓国の権寧世駐中国大使は中国メディアの取材に応える中で、任期中に中国と韓国の自由貿易協定(FTA)の締結を目指したいと述べた。メディアが伝えたところによると、FTA交渉は今月中に新たにスタートを切る予定という。こうした動きをめぐり、国内企業はFTA締結後に韓国の家電産業が低価格製品をよりどころとして中国市場に打撃を与えるのではないかと警戒する。「新京報」が伝えた。
今年6月、韓国の朴槿恵(パククネ)大統領が訪中した際の重要な議題の一つは、中韓FTA交渉の推進だった。韓国のLGディスプレイの韓相範社長は韓国坡州市にある工場で記者会見し、中国には低価格市場と高価格市場が共存し、低価格市場の規模は軽視できない。今後は潜在力のある中小企業を積極的に発掘して、低価格市場での販売ルート拡大に努めると述べた。
中国の家電企業・格蘭仕の陸冀烈副総裁(副社長)兼報道官によると、中国と韓国がFTAを締結すれば、国内で直面するのは韓国ブランドとの対決だという。
陸副総裁は、「最近、韓国企業は電子商取引(eコマース)プラットフォームを利用して活発に動いており、関連品目がネット上で『あるライン』(低価格ライン)に徐々に近づいてきた。韓国企業は今、中国企業に向けて探りを入れるように力を発揮し始めている。本物の対決がすでに始まっているが、中国企業がしっかり準備できているかどうかはわからない」と話す。
コンサルタント会社・北京奥維営銷諮詢有限責任公司傘下の奥維諮詢研究院の張彦斌院長は、「これまで韓国の製品が中国に進出する際は、関税がコストの大部分を占めていた。中韓FTAが締結されると、関税は大幅に下がり、韓国製品の競争力が大幅に上昇する。価格の低下幅は少なくとも20%から30%になるとみられ、現在のお試し価格とほぼ変わらなくなる」と述べつつ、労働力コストや物流コストなどの影響により、韓国製品の価格がどれほど安くなっても中国製品の価格を下回ることはあり得ないとの見方を示す。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年7月25日