◆中国も時期を見計らい加入すべき
桑氏は、「日本のTPP加入は、中日韓自由貿易協定(FTA)の締結に対して、促進の作用を持っている。現在は、一国が複数の地域経済集団に加入するケースは珍しくない。TPPが求めている市場開放の程度は、中日韓FTAの要求をはるかに上回っている。そのため日本はTPP加入後、中国と韓国に対する開放を受け入れやすいはずだ」と語った。
しかし専門家らは、日本がTPP加入に成功すれば、地域内における中国の経済・戦略的影響力が弱まるリスクがあると懸念している。
桑氏は、中国が当初積極的に交渉に参加しなかった原因を、次のようにまとめた。(1)中国は世界貿易機関(WTO)、国際通貨基金(IMF)などの国際組織が制定した規則に基づき国際貿易を指導しようとしており、少数の国家が経済ルールの制定権を把握する状況が生じることを望んでいない。(2)中国国内産業が、TPPの求める高度な投資・貿易自由化により影響を受けることが懸念される。(3)参加国の間に大きな不一致があり、中国は交渉が長期化すると見込んでいる。