最近の製造業の成長率の回復には、さまざまな原因がある。まず政府が6月末より施行している財政およびその他の政策のうち、都市改造・鉄道建設の政策が特に重要だ。次に、流動性の状況が6月以降に正常化した(年初と比べやや引き締めぎみではあるが)。それから、輸出の見通しが好転している。8月の新規輸出受注指数は低下したが、これは7月の大幅な上昇後の小幅な低下に過ぎない。中国国家統計局が7月に発表したPMI指数の新規輸出受注指数、8月上・中旬の韓国の輸出データも積極性を示した。
また零細企業への部分的な免税、貸付金利の下限の撤廃などその他の国内政策措置は現在のところ、経済にもたらしている直接的な影響は非常に限られたものとなっているが、これらの措置は積極的なシグナルを発した。また指導層は経済政策目標を明確にしており、人々の景況感が改善された。
上海財経大学経済学院教授、常務副院長の胡永剛氏は、次のように指摘した。
新規受注指数と生産指数が回復したことを受け、HSBCの中国製造業PMIは3ヶ月連続の低下で50を下回ってから、8月になり初めて50を上回る50.1に達し、景況の改善を示した。このデータは、中国国家統計局が先月発表したデータとHSBCのデータが一致しないという懸念を解消し、公式データが信頼できることを証明し、かつ工業付加価値生産額や電力消費量などの指標と一致した。経済にはまだ上昇の流れが見て取れないが、安定化に向かっているように見え、期待できる。