実りの秋を控えた今、安倍晋三首相は得意の経済政策面で懸念を募らせている。安倍首相はこの秋に、消費増税を決めなければならないからだ。仮に消費増税した場合、安倍首相は日本経済が打撃を被り、アベノミクスがもたらした回復が水の泡になることを懸念している。しかしこれを見送れば、アベノミクスの失敗を宣言したに等しくなる。
消費増税は野田佳彦前首相が、民主党崩壊の犠牲をいとわず、自民党に送りつけたプレゼントだ。近年の日本では、消費増税に関する法案を推進した政権は、政権崩壊の運命を逃れられなくなっている。そのため野田政権のこの貢献を、安倍政権は本来ならば断るべきではない。しかも統計データによると、現在の日本の景気は、消費増税法案を採決した2012年8月よりも好転している。日本のGDPはすでに3四半期連続で成長しており、日銀の黒田東彦総裁は自信満々に、今回は消費増税の条件が整っているとした。しかし安倍首相は依然として慎重で、8月末に約50人の各界の専門家を招き、公聴会を開いた。