マドリードのプロモーションビデオは素晴らしかったし、フェリペ皇太子の言葉はアピール力に富むものだったと言える。だが、スペインは現在債務危機に陥っており、いつ経済的苦境から脱することができるかわからない。これがマドリード最大の欠点となった。そこでスペインは予算わずか19億ドルという「節約五輪」のスローガンを打ち出した。これが様々な大会を見てきた選考委員には受け入れがたかったのは明らかだ。あんなにも費用のかかる五輪を、わずか19億ドルで成功させることがどうして可能だろうか?ましてや、ジブラルタル海峡の領有権問題で現在スペインと英国は大騒ぎとなっている。「貧しく、未知数だらけ」の都市が最後に競争優位を失ったのは当然のことと言える。
イスタンブールは「連戦連敗、連敗連戦」との言葉で形容するのが割合正確だ。トルコ人からすると、ヨーロッパ、アジア両大陸にまたがる国であるトルコは欧州を「代表」すると同時に、アジアを「代表」することもできる。だが実際の状況は正反対のようだ。欧州はトルコを欧州の国とは見ていないし(トルコはEU未加盟)、アジアもトルコが自国を欧州の国と見なしているためにやや「疎遠」だ。東京が現れると、トルコはアジアの圧倒的多数の国々の支持を失った。ましてや、現在トルコは政局が混乱している。また、米国の対シリア軍事攻撃を支持しているため、戦争のエスカレートに直面するリスクも抱えており、内政も外交共に困難を抱えるトルコが排除されたのも意外なことではない。
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