中国製造業が大きいのに強くない主な原因は次の4点だ。第一に、コア技術と独自ブランドが不足していることだ。中国企業が利用するコア技術とハイエンド技術の80%は海外企業に掌握されている。独自の知的財産権を備えた中国企業は20%に満たず、自主ブランドを輸出しているところは10%にも満たない。中国輸出製品の国際市場シェアは11%に達するが、ブランド占有率は3%未満だ。第二に、労働生産性が低いことだ。現在、中国製品の付加価値率は30%で、米国の48%、ドイツの47%、日本の41%とは隔たりがある。第三に、低レベルの生産能力が過剰にあることだ。鉄鋼、セメント、電解アルミなどで生産能力が過剰であるほか、工業製品382種類のうち87%が供給過剰だ。低レベルの生産能力が有り余る一方で、ハイテク技術や高レベルの生産能力は不足している。これに労働力コストや原材料コストの上昇が加わって、企業の営利能力が低下し、黒字企業の割合が下がっている。第四に、産業チェーンのローエンドにいることだ。世界の産業分業の中で、技術の研究開発、基準の制定、ブランドの運営、営業販売や流通の段階はどれも先進国が掌握しており、中国の製造業加工企業は今もなお従業員が多い、付加価値が低い、エネルギー消費量や電力使用量が多い、市場の変動の影響を大きく受けるといった問題を抱えている。