全体的にみると、主要20カ国(G20)の多くは、15年までに新たなシステムを採用する予定だ。中国の香港特別行政区は12年9月から新たな統計基準を採用し始め、政府統計処の報告によると、新基準を踏まえればここ数年の香港のGDPデータには約2%の引き上げ調整が必要になるという。
ほとんどの国が研究開発費(R&D)の資本化の取り組みを支援するが、一部の国は懸念を表明する。たとえば、R&Dには区分が難しいものがある。所有権を確定できない、または将来のリターンを資本化できるかどうかを確定することが難しいからだ。関連の会計データや調査データの処理には実行が難しいという問題があり、詳細な手引が必要だ。研究開発の利益を考えると、R&Dはよい指標とはいえない。R&Dはサービスの寿命または研究開発用資産の価格指数といった実際の問題を確定する必要があるからだ。そこで専門家チームは次のように提起する。R&Dを固定資本の形成として計算する原則に基づき、重点作業を奨励し展開して、穏やかな、かつ国際的に比較可能な方法でこの原則を実行することが必要だ。
▽中国の関連研究作業はまだ初歩の段階
SNA1993が登場してから9年後の2002年、中国はこれを正式に採用し、現在ではGDPなどの重要経済指標を算出する場合のよりどころとしている。SNA2008に関連した研究作業は、現在まだ初歩的な段階にとどまっている。