人民元は一定期間の調整を経て、10月に再び突破的な動きを見せた。中間値は前取引日のような新高値はつけなかったものの、24日午後2時頃、1ドル=6.0808元にまで上昇し、最高値を更新した。経済参考報が伝えた。
「5時代」も目と鼻の先のように見える。外需の回復力が乏しい中、人民元の急上昇が輸出企業の利潤をさらに圧迫している。だが専門家は取材に、元上昇は輸出に一定の打撃を与えるが、これは政策決定者が元上昇容認姿勢を改めることを意味するものではないと指摘。「人民元の国際化の深まりと国内金利の自由化が加速する中、為替相場メカニズムの市場化をさらに加速する必要があり、現在は均衡値に戻るのを加速する時期だ」と述べた。
■元高の主因:ドル軟調
最近、米連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和縮小、米国の財政問題協議、楽観できない雇用統計がドル下落材料となっている。すでにドル指数は7月の84から79前後にまで下落。「人民元為替相場メカニズムは通貨バスケットを参考にした調節を強調し、人民元の寄り付き中間値もそうして形成されている。市場は通貨バスケットの構成を知らないが、ドル指数は通貨バスケットの趨勢を周りから観察するうえでの最良の座標だ。ドル指数が下落すれば人民元が上昇することは、過去の経験も示している」と国際金融問題の専門家、趙慶明氏は指摘した。
趙氏はさらに「為替相場の最高値更新は、市場の人民元上昇熱の再来を物語っている。8月に流動性の逼迫が多少緩和され、市場心理は下落予想から上昇予想へと再転換した。10月に入り、この予想はさらに強まっている」と述べた。