着工から20年、中枢の運営成功から10年、4年連続で水位175メートルの貯水成功にあたり、新華社の記者は、国務院三峡弁公室、水利部、長江水利委員会、中国工程院、中国長江三峡集団公司などを訪ねて権威ある専門家に教えを請うとともに、三峡ダム地域とその下流地域に足を運び、多くの資料を集め、「三峡プロジェクト」に潜む様々な注目問題を整理、解読した。新華社が15日付で伝えた。
焦点三:貯水が大地震を誘発?
近年、中国西部で大地震があると必ず三峡プロジェクトに矛先が向けられるが、それは客観的事実と一致するのか?
ダムの貯水はダム地域から近く、極限状態に近い地震断層を触発するだけで、水が断層深層に沿って浸透し、剪断強度が落ちることが地震を引き起こす主な原因と学術界では公認されている。
水の浸透距離は堤防の第一分水嶺を超えることはなく、堤防から約3~5キロが一般的で、10キロを上回ることはない。
四川大地震や蘆山大地震など西南部の大地震は三峡ダムによって誘発されたという説は専門家が否定している。
焦点四:巨大ダムが大気還流ルートを遮断?
三峡ダムの貯水以来、06年に重慶・四川で大干ばつ、09~10年に西南地域で干ばつ、11年に長江中下流で冬から春にかけて深刻な干ばつに見舞われるなどダムの周辺地域で極端な自然災害が頻繁に発生した。そして「三峡ダムが大気の還流を遮断し、周辺の気候に影響を与えている」という説が世間でやかましく取り沙汰された。
これについて、「大気の還流の垂直高度は3000メートル、三峡ダムの高度は180メートルに過ぎない。三峡ダムが大気の還流を妨げたり、遮断するはずがない」と中国三峡集団の陳飛総経理は説明する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年12月17日