中国市場でのトヨタの動向を分析すると、問題の深層部分が明らかになってくる。昨年下半期のマーケティングにおける努力により、日系自動車メーカーはいずれも大幅な回復を実現した。中でも、日産の中国での販売台数は126万台に達し、前年同期比17%増となった。ホンダも75万台で、前年比25%増となった。トヨタが「しり込み」した内在的な要因は、中国市場における「ローカライズ」戦略が力不足だったことである。
2009年、中国は世界最大の自動車市場へと躍進し、中国への進出を重視しない自動車メーカーはなかった。フォルクスワーゲンもまた、中国市場におけるローカライズ戦略に力を入れ、中国人消費者の需要に適応したリニューアルモデルを打ち出し、今日のような飛躍的な成長を成しとげたのである。保守的だと言われているホンダでさえ、販売台数の減少を受け、昨年は中国市場での戦略を修正し、合弁会社による自主ブランドを打ち出し、「FUNTEC」と呼ばれる技術戦略を進めたことで、いわゆる「力強い回帰」を実現した。