従来の家電製品にIT技術を融合させ、スマートな機能を実現した製品は「スマート家電」や「インターネット家電」と呼ばれ、日本では早くから実用化が進められてきた。例を挙げれば、日本のシャープは1999年にはネットからレシピをダウンロードできる電子レンジを開発・販売している。しかし、パソコンと電子レンジの組み合わせは、消費者にとって不便な点も多く高額とあって、一時的には話題になったもののすぐに忘れさられてしまった。しかし、その後スマートフォンやiPadなどが登場すると、「スマートフォン+家電」の組み合わせが再び脚光を浴び、パナソニックはスマートフォンと連動する白物家電を様々開発し、「未来を行く家電メーカー」と称されるようになった。しかし、総じていえばスマート家電は日本ではまだまだ普及に至っておらず、現実的な課題が山積しているようだ。
日本では「スマート家電」や「スマートフォン+家電」商品は各展示会などでよく見かけられ、多くのメーカーが自社の最新製品を紹介している。「スマートフォンから見たい番組の録画ができるテレビ」、「スマートフォンで管理できる冷蔵庫」、「外出先にいながらスイッチが入れられる炊飯ジャー」、「部屋に入る前に部屋を暖めてくれる(冷やしてくれる)エアコン」など、スマートフォンさえあれば家中のいろんなことができてしまう。これまでの家電より断然「スマート」であり、人々の暮らしをより便利なものにする。
しかし、記者は取材を通して、日本の家電量販店のスマート家電陳列スペースはそう広くないことに気がついた。むしろ、スマート家電を使用する家庭はごくわずかで、「普及」という言葉はまだ程遠いというイメージを受けた。まだまだ遠い存在がゆえに家電量販店での価格も普通の商品に比べ30%ほど割高で、商品について尋ねる消費者の姿もあまり見受けられなかった。スマート家電を紹介する家電メーカーのあの手この手の広告・宣伝も、どうやら大きな役には立っていないように思えた。