2社の不動産上場企業のリファイナンス案がこのほど批准され、不動産融資の市場化回帰のシグナルを発した。
現在の市場環境の中、不動産リファイナンスの開放は、政府による市場救済と解釈されやすい。三・四線都市の市場供給の飽和化、一・二線都市の静観ムードの激化に伴い、一部不動産企業は売上金の回収により資金圧力を緩和しようとしており、一部企業はデフォルトに陥っている。この時期のリファイナンスの開放は、不動産市場の「頼みの綱」と見なされやすい。またその巨大な市場規模、川上・川下の数十の業界への影響力から、不動産業の国民経済における地位は言わずと知れたものとなっている。ゆえに不動産市場の朗報は、往々にしてマクロ経済レベルの朗報と解釈される。しかし不動産リファイナンスの開放の実質的な意義については全面的に判断する必要があり、単純に有利・不利な情報としてとらえることはできない。
まず不動産リファイナンスの開放には、厳格な規範化が伴う。審査手続きの中で、上場企業のリファイナンス案は、中国住宅・都市農村建設部(住建部)や中国国土資源部などの発行する関連文書を取得し、企業の土地・住宅取得の中に違法行為がないことを証明する必要がある。つまりリファイナンスを実施する企業は「清廉潔白」である必要があり、問題が存在する企業はリファイナンスの開放による利益を得られなくなる。それから市場化の方針の強化は、市場リスクの自己負担を意味する。市場化方針の提唱と実践により、「目に見える手」の市場に対する過度な干渉を回避できるが、「市場を救う手」も引戻されることになる。不動産市場の景気低迷期に、脆弱な市場は「市場を救う手」に助けを求めることに慣れており、市場の規則を平然と受け入れようとはしない。これは不動産市場調整の長期的・効果的なメカニズムの障害になる。