だがTPPのハードルは高く、日本は手こずっている。一部のメディアの分析によると、日本の農業に対してTPPの影響は非常に大きく、高額の関税で保護されてきた農業部門は市場が開放されれば壊滅的な被害を被ることになる。しかも難題はこれだけではなく、交渉が本格化すれば、日本政府は各方面の利益集団から次々に攻撃を受けることが予想されるという。
たとえば、日本の金融システムはかなり閉鎖的であり、これまで郵政システムに組み込まれていたゆうちょ銀行とかんぽ生命保険は、日本でも屈指の規模を誇り、特殊な地位にある。TPP交渉では、当然のことながらゆうちょとかんぽの改革も要求され、日本にとって相当困難な問題であることは確かだ。さらに日本の医療システムも問題を抱える。TPPに基づいて基準を完全に自由化すれば、日本医師会などの既得権益層が大きな損害を被るため、TPP加盟に反対することは明らかだ。
日本の政界にも深刻な隔たりがある。安倍首相が13年2月に米国訪問するにあたり、野党の民主党や日本維新の会がTPPへの交渉参加を求める超党派議員連盟を設立した一方、自民党の議員236人はTPP交渉参加に反対の声を上げた。