▽苦悩は尽きない
日本はオーストラリアと自由貿易協定(FTA)に調印したことで、米国とのTPP交渉を有利に運びたい考えだ。日本の期待通りにうまく運ぶだろうか。最新の報道によると、日豪がFTA交渉で一致したため、米国はTPP交渉で態度を硬化させているという。
米国は譲歩せず、日本のTPP加盟は困難を極めるとみられる。開放によって硬直化した日本経済に発展へのエネルギーが与えられることは確かだが、経済や貿易、さらには国の安全保障にさまざまな潜在的リスクをもたらすことも予測される。どのように利益を調整するか、日本は綱渡りを強いられている。
農業について考えると、経済に占める農業の割合は小さいが、日本ではこれまで農業従事者が大きな力をもっていた。政界はこれまで農村や農業団体(農協)と事を構えることを避けてきた。TPPに加盟し、TPPの枠組内で農業従事者が大きな損害を受けないよう保証しようとすれば、巨額の補助金が必要になるが、その財源はない。日本はこれから非常に苦しい状況に陥るとみられる。農業分野だけでも難しいのに、金融システムや医療システムの利益バランスを取ることはもっと難しいといえる。
日本はTPPの高いハードルを越えたいが、現在の苦境はこれから長く続く苦悩の日々の始まりに過ぎない。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年4月11日