日本の財務省が21日発表した2013年度の貿易統計(速報)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は過去最大の13兆7500億円の赤字となった。前年より68.5%増加し、比較可能な1979年度以降で初めて3年連続の赤字となった。同時に発表された3月の貿易収支は1兆4500億円の赤字。赤字は21カ月連続となった。
統計によると、2013年度の日本の輸出は前年度比10.8%増の70兆8600億円、輸入は17.3%増の84兆6100億円。貿易先をみると、米国が日本最大の輸出先で、対米輸出額は13兆2100億円、輸入額は7兆1400億円。対中輸出は3年ぶりに増加し、輸出額と貿易赤字がいずれも過去最大となった。対中輸出額は13兆100億円、輸入額は18兆5800億円。中国向けの自動車輸出額は前年比43%増え、中国からのスマートフォン輸入額が33%増えた。
「貿易立国」の日本が3年連続の貿易赤字となるのは初めて。2011年の東日本大震災後、日本は原子力発電所を閉鎖したため、火力発電に使う燃料の輸入が大幅に増加。さらに「アベノミクス」による金融緩和政策でこの1年で円相場は対ドルで約21%円安が進み、液化天然ガス(LNG)や石油の輸入額が18%増えた。今年4月の消費税率引き上げ前の「駆け込み需要」も輸入需要を押し上げた。