フロマン代表はこのほど議会の公聴会で、日本と共通認識に達すれば加盟12カ国との合意達成に向けた障害が取り除かれる。米国側は、日本と貿易合意を達成すれば戦略的な側面から交渉にエネルギーを注入することができると考えていると述べた。米日の政府関係者はいずれも、オバマ大統領と安倍首相の会談は交渉の最終期限ではないとの見方を示すが、ある専門家によれば、双方が実質的な成果を得られなければ、交渉全体のエネルギーが大いにくじかれると指摘する。
だが首脳会談で合意の締結に向けた承諾がなされたとしても、両首脳はそれぞれ国内に強硬な反対派を抱えている。
ここ数日間、東京の霞ヶ関にある政府関連施設の周辺では、さまざまな団体によるTPP反対の集会がひっきりなしに行われた。安倍首相が率いる自民党の票田の半分以上は農業団体で、農業団体はまさしくTPPに断固反対する勢力の中心だ。農林水産委員会はこのほど、敏感な問題を抱えた農産品の関税を維持するよう求める決議を採択した。米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」によると、交渉がなかなか進まないため、一部のアナリストは安倍首相が承諾した構造的な経済改革、すなわち安倍政権がうち出す経済政策「アベノミクス」の第三の矢(民間投資を喚起する成長戦略)に疑問を感じ始めている。