与党・自民党と日本政府はこの点に気づいていて、5兆5000億円規模の緊急経済対策を行ったが、消費を促す低所得者の現金給付金に充てられたのは6500億円、総額のわずか11.8%で、消費の落ち込みを抑えるのは難しいだろう。その他の大部分は公共投資、震災復興、中小企業の設備投資促進などに投じられ、消費を刺激し、景気の落ち込みを抑えるべき巨額の政府投資が利益集団の欲望を満たす盛宴となった。
別の予測によると、消費税引き上げ後、年収700万円以下の世帯、特に年金生活の高齢者への影響が最も大きいという。今回の現金給付金の対象は主に年収200万円以下の世帯で、年収200万円以上700万円以下の世帯には何の給付もない。こうしたことから対策が消費を促せるかに疑問が残る。
注目に値するのは、賃上げが消費税増税のショックに耐えられるかを決めるカギとなっていることだ。この20年余り、日本の賃金は下がっている。2013年の一人当たりの平均月収は31万4000円で、1990年以降最低の水準となった。量的金融緩和政策やエネルギー輸入量の大幅な増加で、日本の物価は上昇し、インフレ率は4%に達する見通しだ。つまり賃金が4%以上上がらなければ、国民はこれまでと同じ生活水準を保てなくなる。